一般財団法人 海外産業人材育成協会

紙媒体で実施していた多言語アンケートをクッカーに移行してコスト削減と2倍の回収率アップに成功しました。

一般財団法人 海外産業人材育成協会

経営戦略室 調査評価グループ 江口 健一郎 様

http://www.hidajapan.or.jp/

海外産業人材育成協会
御団体の業務内容を教えてください。
当団体、一般財団法人 海外産業人材育成協会(略称:HIDA)は、1959年(昭和34年)に日本で最初の民間による技術協力機関として通商産業省(現:経済産業省)の認可を受けて設立した人材育成機関です。主に開発途上国の産業技術者の研修に関する事業を行い、国際経済協力を推進して、海外と日本との相互の経済発展および友好関係の増進に寄与することを目的としています。
日本で行う研修(受入研修)には、2010年度(平成22年度)までに世界170カ国から延べ162,000人余りが参加したほか、海外で行う研修(海外研修)にも延べ189,000人余りが参加しており、合わせて35万人を超える研修生が母国の産業発展や日本との友好関係の構築等に貢献しています。
クッカーを導入される前にどういう事で悩んでいたかお話し頂いて宜しいですか。
アンケートの対象者は当方の研修を受けた研修生になります。日本での受入研修の場合、研修生の方々は研修修了後に母国へ帰国されますので、研修の成果・効果の確認は開発途上国で調査をしなければなりません。これまで、帰国後のアンケート調査では、対象国や研修の業種などで調査対象者を数百名ほどに絞り、各国語に翻訳された紙媒体のアンケート票を郵送する形で行っていました。数年前までの開発途上国のインターネット事情では、WEBでアンケートに答えてもらうということは到底期待できませんでした。しかし、郵送手段では非常にコストがかかることがネックでした。また、郵送によるアンケートの回収率は概ね3割程度であり、コストを抑えようと発送数を制限すると、満足いく回答数が得られないというジレンマを抱えていました。
クッカーをご利用になったきっかけは何でしょうか?
近年、開発途上国のインターネット環境が大幅に進歩し、今では日本と同じように多くの人がメールを使いこなすようになりました。最近の研修生のうち95%以上が個人用もしくは勤務先のメールアドレスを保有している状況になり、WEBを使ったアンケートを導入することで、これまでより低コストで、より多くの人にアンケートを実施でき、且つ手軽さ故に回答率もアップするのではないかと考え、WEBアンケートの導入を本格的に検討し始めました。
アンケートは研修生がわかる言語に翻訳して実施しており、最低限、英語、中国語、タイ語、ベトナム語、インドネシア語の5言語は必須でした。そこで、これらの言語に対応しているWEBアンケートシステムがあるかどうかいろいろと調べてみたのですが、あっても英語、中国語ぐらいで、それら5言語すべてを対応している既存システムは世間に見当たりませんでした。
そんな中、新規システム開発も含めて検討していた矢先、11言語に対応している御社のwebアンケートシステム『クッカー』を知りました。この11言語の中に当方が必要なタイ語、ベトナム語、インドネシア語はありませんでしたが、御社にお問い合わせしたところ、比較的安価に短期間でこれら3言語を用意できるということでした。最終的には他社の2システムと比較し、使い勝手、費用面など総合的に判断した結果、御社の『クッカー』を採用することにしました。
実際にユーザ登録をしてから最初のアンケートの開始までは、どの程度期間がかかりましたか。『クッカー』に移行する過程で、大変だったことはありますか?
最初はマニュアルを見ながら1ヶ月ぐらいかけて、『クッカー』の操作方法を覚えました。システムの中身を知れば知るほど、設問の分岐やアンケートの一時保存など、高度な設定に興味が湧き、御社のサポート担当者様とほぼ毎日電話でやり取りを繰り返し、システムについて熟知していきました。その後、アンケートを多言語に翻訳し、それをシステムに移しまして、期間的にはユーザ登録から2ヶ月程でアンケートを開始することができました。
大変だったことは、システムの操作方法に慣れることぐらいでしたが、既存のマニュアルとは別に、私共の専用マニュアルを作って頂きましたので、今では、複数の職員が『クッカー』を使いこなし、さまざまなアンケートを実施しています。
回収率はいかがでしたか。
最初に行ったアンケートは、約2,800名に送り、およそ1,750名の方から回答を頂きました。回収率は60%を超え、これまでの紙媒体で実施していたアンケートの2倍になりました。また、回答数も以前の約6~8倍になり、細かい属性に分けて比較・分析することが可能になりました。
トラブルは何かありましたか?
アンケートは海外にいる方に送っているため、例えば、アンケート案内メールが届かない、メールが迷惑メールボックスに入ってしまう、文字化けしている、アンケートURLにアクセスできない、というトラブルはある程度覚悟していました。ところが実際は想定していたよりも少なかったです。また、トラブルが発生した場合にも迅速に対応して頂けますので、信頼のおけるシステムだと感じています。
現在の運用状況をお話いただけますか。
運用開始から1年半ほど経ちましたが、常時2つから3つ程度のプロジェクトを設け、その中で複数のアンケートを実施しています。また、2011年9月からは『クッカー』の「メール送信機能」を使い、当団体のメールマガジンを配信しています。このメール送信機能も15以上の言語コードに対応している非常に完成度の高いものだと思います。
これまで何ヶ国語でアンケートをされたのでしょうか?
既に何種類ものアンケートを実施していますが、一番多くの言語で行ったものは、英語、中国語(簡体字)、タイ語、ベトナム語、インドネシア語、スペイン語、ポルトガル語の7言語の同時アンケートです。回答はアジア各国を中心に約37カ国から回収できました。また、上記のメールマガジンについては、現在のところ日本語と英語のみですが、英語の方については、世界137カ国、約2万2千人に配信しています。
今後の展望はありますか。
『クッカー』を利用することで、これまでとは比較にならないほどスピーディーにアンケート調査ができるようになりました。また、『クッカー』を使ったメールマガジンでは、国内、海外にタイムリーな情報を発信できるようになりました。当団体では、現在、調査評価機能の強化を図っているところですが、その中で『クッカー』は重要な機能として位置づけており、さらなる活用を検討しているところです。
ありがとうございました。今後ともよろしくお願い致します。